感染症対策・防災に関するお役立ち情報

幼児が新型コロナウイルスに感染するリスクは変わらないのか

2021-04-22

幼児が新型コロナウイルスに感染するリスクは変わらないのか

日本の新型コロナウイルス感染者の推移からいま分かること

2021-04-22

新型コロナウイルス (COVID-19) 感染症は2019 年 12 月に中国で報告されてから世界中で猛威を振るっています。今回は、国内でも増加の一途を辿っている新型コロナウイルス感染者数が今後どのように推移していくのでしょうか。また、感染拡大防止に向けて様々な対策を目にしますが、介護施設など人との接触が避けられない場所での具体的な対策方法を紹介します。 新型コロナウイルス感染症の感染経路 新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症の 一種であり、感染した時の主な症状は咳や発熱です。感染してから発症するまでの期間 (潜伏期間) は 1~14 日で平均 5~6 日という報告があり、さらに感染しても咳などの症状が出ない不顕性感染のケースも報告されています。潜伏期間中・不顕性感染のいずれにおいても他人へ移してしまう可能性があり、知らない間に感染拡大の片棒を担がせられる恐れがあります。 【飛沫感染】 飛沫感染とは、「咳やくしゃみで飛び散ったしぶき(飛沫)を吸い込むことにより感染する」ことです。新型コロナウイルス感染者が咳やくしゃみをしたときに出るしぶきの中にはウイルスが含まれています。新型コロナウイルスに感染していない人がウイルスが含まれているしぶきを吸ってしまうと体内にウイルスが侵入する恐れがあります。 【接触感染】 「感染者もしくは感染源に直接接触して感染する」ことを接触感染と言います。コロナウイルスに感染している人がくしゃみや咳を手で押さえた場合、その手にはウイルスが付着しています。そして、ウイルスが付いたままの手で触ることでウイルスが付着した場所 (ドアノブなど) を他の人が手で触ってしまい、さらにその手で口や鼻を触るとウイルスが体内に侵入する恐れがあります。 【空気感染 (飛沫核感染)】 空気感染は「空気中を漂う微細な粒子 (飛沫核) を吸い込むことにより感染する」ことで、空気感染とも呼ばれます。現在流行している新型コロナウイルスが空気感染によって伝播したという症例は報告されていませんが、空気感染の可能性を完全に否定できない研究結果も報告されています。 感染者数の推移 【世界】 2019 年 12 月以降、中国を発端に感染者数が世界中で膨れ上がっています。特に、アメリカは累計感染者数が 2020 年 3 月 26 日に中国を上回り感染者の数が最も多くなりました。いくつかの国では緊急事態宣言が発令されて外出がかなり厳しく制限されていますが、感染者数は増え続けているのが現状です。一方で、緊急事態宣言が発令された地域では発令から 1 ヶ月ほど経つと新規患者数は減少傾向となり、外出制限の実施が新型コロナウイルス感染症終息に一定の効果はあると言えそうです。ちなみに、欧米では新型コロナウイルスの抗体を検査する流れになってきており、これはワクチン開発と同様に集団免疫の獲得に向けた動きだと考えることができます。 【世界】 では、日本の場合はどうでしょうか?日本で最初に新型コロナウイルス感染症患者が確認されたのは 2020 年 1 月 16 日で、その約 3 ヶ月後...

日焼け対策できていますか?マスク焼けと熱中症|新型コロナウイルス関連

2020-05-23

日焼け対策できていますか?マスク焼けと熱中症|新型コロナウイルス関連   気温も高くなり日差しが強くなる中、日焼け対策進めていますか?新型コロナウイルスの感染予防で毎日マスクを着用していると思いますが、日焼け対策を施さないと気づかないうちに「マスク焼け」するかもしれません。そして、日焼けと同時に懸念される熱中症。マスクで十分に換気ができず熱がこもりやすくなります。日焼けと熱中症対策について見ていきましょう。 「マスク焼け」は恥ずかしい マスクといえばインフルエンザや風邪が流行する冬や花粉症のピークである春先に着用することが多く、防寒対策として着用していた方もいるでしょう。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染対策として春以降もマスク着用が求められています。そこで懸念されるのが「日焼け」と「熱中症」です。特にマスク着用が日常化したこの時期では「マスク焼け」への注意を呼びかける声が高まっています。 紫外線は年中照射し続けている 紫外線量は7月~8月の夏場でピークを示すものの、年中照射しています。気象庁のデータによると昨年の東京都での紫外線量は8月が最も高く、次いで高かったのは5月でした。また、夏場は真上から強い日差しを浴びますが、5~6月では夏より太陽の位置が低いため顔や身体全体に日差しを浴びやすくなります。天候によっても紫外線量は変化しますが、晴れの日を100%だとすると曇りでは約60%、雨では約30%と低下するものの紫外線は照射し続けています。そのため、5月でもマスク焼けのリスクは十分に考えられます。 気温の上昇で熱中症の危険が指摘されている 「マスク焼け」に加えて懸念されている問題が「熱中症」です。総務省消防庁のデータによると昨年5月の熱中症による救急搬送人員は4448人(全体の約6%)であり、一昨年と比べると全体数は減少しておりますが、5月のみを見ると1.8倍にも増えています。今年はさらにマスク着用の影響もあり例年に増して熱中症への注意が必要です。では、どのような理由から注意が必要なのか見ていきましょう。 【顔を隠すことで熱が逃げない】 夏の暑い時期に汗をかくのは体内の熱を外に逃がして体温調節をするためです。顔も同様に汗をかくことで熱を逃がしていますが、マスクを着用することで熱を逃がすことができず熱中症のリスクが高くなる可能性があると考えられています。 【のどの渇きに気づきにくい可能性も】 汗をかくなど身体から水分が不足すると、脳にてのどの渇きを感じ水分補給を行います。しかし、マスク内は呼気により湿度が高くマスク未着用時に比べのどの渇きに気づきにくい可能性があり、熱中症のリスクが高まると言われています。 改めてマスクの必要性を確認 日焼けや熱中症を恐れてマスクを着用しなくなるのは本末転倒です。改めてマスク着用の必要性を確認しましょう。新型コロナウイルスは飛沫感染するウイルスです。マスクは感染者が他者にうつさない、感染者から飛沫を浴びないために必要なものです。周りに人がいない環境であれば不要かもしれませんが、集団で生活する環境であれば感染拡大防止に重要なアイテムとなります。ただし、正しい使用法でなければ効果は軽減してしまいます。着脱は耳にかけるゴムの部分で行うことや鼻から顎まで覆うこと、口周りの部分を触らないなど注意しましょう。 UVカットマスクでウイルスは防ぐことはほぼ不可能 ウイルス感染対策のマスクはどれでも良いというわけではありません。特に日焼け対策目的で作られているUVカットマスクではウイルスを防ぐことはほぼ不可能です。UVカットマスクは紫外線をカットする一方、サージカルマスクのようなVFE, PFE適合品※ ではないためウイルスのように微小のものを防ぐ機能は備わっていません。そのため、サージカルマスクと比較すると感染リスクが上昇してしまいます。 ※マスクフィルター部の性能試験法:VFEはウイルス飛沫補修(ろ過)効率試験, PFEは微粒子補修(ろ過)効率試験 グッズを使って紫外線対策 ウイルス感染した方は、サージカルマスクのようなウイルスを防ぐ機能が備わったマスクを着用する必要があります。また、一般の方もサージカルマスクの方が感染防御の観点から推奨されています。そのため、紫外線対策はマスクではなく他のグッズを使って行うようにしましょう。最もポピュラーなものは日焼け止めクリームです。コンビニなどで手軽に購入することができ、いつでも塗ることが可能です。紫外線はマスクを透過するため、必ず内側も塗布しましょう。また、帽子やサンバイザーなども有効でしょう。日傘はおしゃれな柄や男性も使える柄などバリエーションが豊富で使用する人が増えていますが、地面からの照り返しは防ぐことができないため日焼け止めクリームなどを併せて使うことをおすすめします。 熱中症を回避する対策方法 熱中症にならないためにはこまめな水分補給が大切です。汗を多量にかいた場合は塩分も併せて補給するようにしましょう。また、マスクをして熱が顔から逃げにくい環境になっています。その代わりに首や胸元、腕や足首などの肌を露出し熱を逃がす場所を作ることも熱中症対策となるでしょう。 参考資料 ZEYNEP TUFEKCI, JEREMY HOWARD, TRISHA GREENHALGH. April 22, 2020. Don't Wear a Mask for Yourself, The Atlantic Nancy H. L. Leung, et al., “Respiratory...

新型コロナウイルスの感染でもありうる関節痛はすぐ病院へ行くべきか

2020-05-21

新型コロナウイルスの初期症状に関節痛の報告を耳にするようになりましたが、疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。インフルエンザウイルスに感染した時の症状の一つに関節痛が該当しますが、現状検体採取時の感染リスクから検査を控えている状態です。では、関節痛を発症した時、どのような対応が正しいのでしょうか。 関節痛はなぜ起こるのか 関節痛が起こる原因は様々です。関節にある軟骨のすり減りにより骨同士がぶつかることで痛むことがあれば、炎症反応が起きることで関節に痛みが出ることもあります。関節痛が起こる原因疾患は多くあり、関節が痛いから新型コロナウイルスに感染しているとも言い切れません。 風邪による関節痛の発生メカニズム 主にウイルスが感染して鼻やのどで急性炎症が起こる風邪症候群でも関節痛が起こることがあります。ウイルスを排除するために体に備わっている免疫反応が働き、プロスタグランジンE2という物質が産生されます。この物質が関節痛・筋肉痛・発熱などを引き起こす原因となります。インフルエンザウイルスに感染した時に起こる節々の痛みも同様にして起こると考えられています。 関節痛の発生は様々な要因から 感染症による関節痛はプロスタグランジンE2が関与している可能性が高いことを説明しました。では、それ以外の疾患の場合はどのようにして関節炎が起こるのでしょうか。 【自己免疫性疾患の場合】 リウマチ性疾患や炎症性腸疾患といった自己免疫性疾患でも関節痛が起こることがあります。自己免疫性疾患は、通常外敵から体を守るために働く免疫系が体の中に存在するものを異物として認識することで引き起こされる疾患です。リウマチ性疾患の中で関節リウマチが最も関節痛を連想しやすいと思いますが、関節リウマチは関節の中の滑膜という場所で炎症反応が起こると関節に痛みが生じます。この時は感染症の時と同様にプロスタグランジンが痛みの一因と考えられています。ただ、関節リウマチの場合は滑膜でも炎症が長期化することで骨破壊を起こしてしまうこともあるため、痛みを抑える以外の治療も必要になります。 【痛風の場合】 痛風とは体内の尿酸が多くなりすぎた時に過剰な尿酸が関節で結晶化することで痛みが引き起こされる疾患です。尿酸が結晶化した場所で炎症反応が起こり痛みを感じます。痛風発作は足の親指の付け根で起こりやすく、腎臓など関節以外の場所でも起こる場合があります。 【変形性関節症】 関節に負荷をかけすぎることで病態を形成しやすいと考えられているのが変形性関節症です。関節にある関節軟骨が少しずつ傷つき、関節内で炎症反応が起こることで痛みを感じます。さらに進行すると、軟骨がすり減ってしまい、骨同士がぶつかることで痛みが生じるようになります。 痛い関節痛は解熱鎮痛薬で対応を 関節の痛みはプロスタグランジンの産生を抑えることができる鎮痛薬の服用で改善することが多くあります。痛みが激しい場合は市販の解熱鎮痛薬を飲んで様子を見ても良いかもしれません。鎮痛薬には外用剤もあります。関節など動きがある場所にはゲルやローションタイプの鎮痛薬がおすすめです。解熱鎮痛薬は全ての痛みに効くわけではないため、気になることがあれば薬剤師や登録販売者に相談しましょう。また、解熱鎮痛薬の服用はあくまで対症療法で、疾患の原因を直接取り除くことはできません。長期間の服用は避けて痛みが続くようであれば受診を視野に入れてください。 早めに対処。風邪の関節痛の対策法 関節痛の痛みを軽減させるためには早めの対処が重要です。必要以上に負荷がかかる行動は避け、関節が腫れていたり熱を持っている場合は冷湿布を貼っても良いかもしれません。 すぐ病院へ行く前に帰国者・接触相談センターへ電話相談しましょう 新型コロナウイルスに感染した時の症状は関節痛だけでなく、発熱や咳なども現れることがあります。これらの症状が続く場合は、まず各地域に設置されている帰国者・接触者相談センターへ連絡して指示を受けましょう。「37.5 度以上の発熱が 4 日以上続く」ことが相談の目安の一つとして提示されていましたが、現在は 「37.5 度以上」という条件が見直され「比較的軽い風邪の症状」に変更されています。 一方で、高齢者や糖尿病や呼吸器疾患などの基礎疾患を持っている方は重症化するリスクがあるため、気になる場合は早めに対応してください。息苦しさなど既に強い症状が出ている方はすぐに相談・受診をしてください。 さいごに 新型コロナウイルス感染症の症状として最初に関節痛が出たケースも報告されています。関節痛から感染症は想像しづらいかもしれませんが、日々の体調管理を徹底して行い、違和感がある場合は外出を控えるなど感染拡大を防ぐ行動を取ることも必要かもしれません。 [参考資料] 一般社団法人 日本感染症学会 “新型コロナウイルス感染症 (COVID-19 infection)” 一般社団法人 日本リウマチ学会 “関節リウマチ診療ガイドライン2014” 宮坂信之 (1989) “mechanisms of joint destruction in rheumatoid arthritis 慢性関節リウマチの関節破壊はなぜ起こるか―サイトカインの関与―” 炎症, 9 (3): 193-199....

咳症状から見る様々な原因と対策|新型コロナウイルス関連

2020-05-20

咳症状から見る様々な原因と対策|新型コロナウイルス関連 新型コロナウイルス感染症は主に呼吸器症状であり、さらに感染経路として飛沫感染が挙げられます。そのため、理由はどうあれ咳をすると疑いの目を向けられるなど咳に対して敏感な世の中となりました。咳が出るのは新型コロナウイルスだけでは決してありません。今回は咳をテーマに症状や病気、治療法、対策について確認していきましょう。 咳が出る原因 新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの呼吸器感染を起こすウイルスは体にとってほこりと同じ異物です。ウイルスが気管支などに到達するとセンサーが反応し、これらの異物を排除するための防御機構が働くことで咳が出ます。喘息などの場合は、気管支にある筋肉の収縮が咳と関係するとも言われています。 喘息と似た症状の病気 「咳」と聞くと喘息を思い浮かべる方が多くいらっしゃると思いますが、症状のひとつとして咳が出やすい疾患はいくつかあります。例えば、咳喘息・百日咳菌や溶連菌による細菌感染症・肺真菌症・アトピー性咳嗽・慢性閉塞性肺疾患 (COPD: chronic obstructive pulmonary disease)・胃食道逆流症(逆流性食道炎)などです。これらに罹ると咳が出やすくなりますが、原因疾患によって治療法が異なるため注意が必要です。市販薬では咳が止まらないこともありますし、無理に止めてしまうと悪化してしまう場合があります。 新型コロナウイルスでの呼吸器症状 新型コロナウイルスが呼吸器に感染すると、炎症反応が起きて咳だけでなく息苦しさを感じることがあります。この炎症反応は免疫系が働くことによってウイルスを排除しようとする防御反応によって起きたものですが、今回の新型コロナウイルスの場合は免疫系が過剰に働いてしまうことで重症化し、呼吸不全に陥る可能性が指摘されています。 コロナ感染かその他の症状か区別できるの? 咳は大きく分けて痰が伴う湿性の咳と痰が伴わない乾性の咳があります。喘息の場合は呼吸をするときにヒューヒューといった音がしたり、発作が就寝後から明け方にかけて出やすいなどの特徴があります。ウイルス感染症による咳の場合はウイルスを排除するために粘液が分泌されることから痰を伴う湿性の咳がでやすくなりますが、細菌性肺炎や心不全などでも痰を伴う咳が出るため、湿性の咳だから新型コロナウイルスに感染しているとは言い切れません。 喘息の場合は呼吸をするときにヒューヒューといった音がしたり、発作が就寝後から明け方にかけて出やすいなど咳に特徴があるため喘息による咳だとある程度予測できます。一方で、新型コロナウイルス感染症の場合は咳では断定できないため、発熱・頭痛・鼻詰まりなど咳以外の症状も考える必要があります。 呼吸器疾患を持つ人は重症化リスクが高い 喘息や COPD などの呼吸器疾患を持つ人が新型コロナウイルス感染症に罹患すると重症化しやすいと考えられています。呼吸器疾患を患っている方は持病に対する治療を正しく行うとともに、感染するリスクを減らすために日々の感染予防を徹底して行う必要があります。感染した場合は、重症化する前の特徴的な症状として発表されている 13 の症状を把握しておき、日々の体調変化を細かくチェックしましょう。 喘息の吸入薬の使用は問題ない 喘息の治療を行っている人の中には吸入薬を使用している方もいらっしゃると思います。一般的にウイルス性呼吸器感染症による発作時でも通常の発作時治療に沿って治療が行われるため、吸入薬は使用できると考えられます。感染症を心配して喘息発作時に吸入薬の使用を控えてしまうとさらに悪化するだけでなく、新型コロナウイルス感染症の症状が重症化する恐れもあります。但し、自分の判断で吸入量を変えることはせず、増やしたい場合は必ず医師に相談しましょう。 咳に対する様々な対策 【咳エチケット】 新型コロナウイルス感染症だけでなく様々なウイルスや細菌に感染した場合、咳をした時に出る飛沫には病原体が含まれています。この飛沫を相手が吸い込んでしまうことで飛沫感染が起こるため、咳には十分注意しなければなりません。とはいえ、咳を我慢することは難しいため、マスク着用する・ハンカチやティッシュで口や鼻を覆う・上着の内側や袖で鼻から顎まで覆うなど「咳エチケット」を守りましょう。 【中にはユニークな対策もある】 花粉症や喘息持ちの方はくしゃみや咳が出てしまうこともあるかと思いますが、今の時期は外出中に咳をしてしまって嫌な思いをしたことがあるかもしれません。そんな方のために新型コロナウイルス感染症ではなく喘息や花粉症だということをアピールするためのグッズが販売されていますので、気になる方は試してみると良いかもしれません。 さいごに 新型コロナウイルスに感染すると咳が出やすくなることは分かっていますが、咳が出る原因は様々です。その咳が感染症によるものか判断できない時でも、咳エチケットは守るなど感染している 場合を想定して十分な感染拡大防止策を講じるようにしましょう。 [参考資料] Heshui Shi et al., (2020) “Radiological Findings From 81 Patients With COVID-19 Pneumonia in Wuhan, China: A...

新型コロナウイルスのニュースに翻弄されないためのポイント

2020-05-19

  新型コロナウイルスに関する情報が日々アップデートされている世の中ですが、情報が多く「コロナ疲れ」していませんか。また、これらの情報はどこから発生し、正確な情報か判断できるのでしょうか。私たちに必要な情報のポイントを探っていきます。 情報に翻弄されるのはなぜか 【情報の多さに疲弊しコロナ疲れする】 新型コロナウイルス感染症の影響は日本だけでなく世界中に及んでおり、世界中の人が何かしらの情報を得ようとしている日々が続いています。このニーズに対して様々な角度から多くの情報が発信されていますが、いくつか記事を読んでいるとほとんど同じ内容の場合もあれば矛盾点がある場合もあります。そのため、知りたい情報に関する記事を見つけても、その情報が正しいが判断できずに余計混乱してしまうわけです。 【まとめサイト・トレンドブログの出現】 新型コロナウイルスに関する情報を得るためには、情報を集約した方が見やすさや探すスピードが向上します。しかし、既に発信されている情報をただ集めただけではそれらの情報が全て正しいか判断することができず、実際に誤った情報や情報の偏った解釈が含まれていることもあります。特に、ある地域や店に感染者が出入りしていたという誤報を実名込みで発信し、店側が謂れのない誹謗中傷を受けてしまったという非常に悪質なケースもあります。 全てが信頼できる記事とは限らない 【その情報は信頼性のあるものか】 新型コロナウイルス感染症に関する情報は残念ながら全てが正しいとは限りません。誤った情報に踊らされて間違った行動を起こさないように、見つけた情報の信頼性を見極める必要があります。特に医療系に関する情報のうち、その情報が信頼できるかを見分ける方法の一例は「出典元」や「参考資料」を見ることです。全てとは言いませんが、何を参考にしてその情報が得られたか不明な場合は一度疑いの目を向けても良いかもしれません。 【何を基準にまとめているか】 まとめサイトにも様々な種類がありますが、そのサイト内でも多岐にわたる情報が掲載されている場合があります。「新型コロナウイルス感染症」を基準にして情報をまとめたとしても医療面もしくは経済面の情報や感染者数の動向など情報を絞り切ることができないため、より細分化した基準を基に情報を集約する必要があります。 【多くの人が惑わされた一例】 「新型コロナウイルスは空気感染する」という情報を目にした方が多くいるかと思います。確かに、空気感染の可能性を否定できないような研究結果は報告されていますが、実際に空気感染が起きた例は報告されていません。それにも拘らず空気感染する、つまり 2m のフィジカルディスタンスは無効だという情報も発信が発信されていました。新型コロナウイルス感染症が初めて確認されてまだ半年程度しか経っていないため、現時点で科学的に証明できる全く新しい仮説は残念ながらそう多くはありません。このようにインパクトのある情報ほど慎重に見極める必要があります。 どのように情報を仕入れるべきか 【情報の発信源を確認する】 探していた情報を見つけた時はその情報の発信源を確認することでより信頼性の高い情報を得ることに繋がるかもしれません。公的機関・報道機関・大学や関連学会・クリニックなどさまざまなところから新型コロナウイルス感染症に関連した情報が出されています。ニュースサイトでも情報を得ることができますが、サイト上に掲載されている情報の発信源が全て同じではないことに注意する必要があります。欲しい情報はどこから発信された情報が信頼性が高いか判断することが大切です。 【まとめサイト・トレンドブログは避ける】 全てのまとめサイトやトレンドブログに掲載されている情報が誤っているわけではありませんが、その情報が正しいが判断できない場合もあります。公的機関から発信された情報のみをまとめているサイトは問題ないかと思いますが、可能な限りまとめサイトからのみ情報を収集することは避けた方が良いかもしれません。 【新聞など紙媒体は証拠として残る】 新聞や雑誌などの紙媒体にも新型コロナウイルス感染症に関する情報が掲載されています。これらの情報は掲載された時点では正しい情報かもしれませんが、日々状況が変化していく中でいつまでも正しい情報とは言い切れません。紙媒体から情報を得る場合は特に最新の情報を探すようにしてください。 最小限に必要な情報を仕入れる方法 毎日新しい情報が発信されるため、それらの情報を全て調べることは骨が折れます。知りたい情報が決まっている場合は、ニュースサイトの通知設定など機能を利用して入ってくる情報を最低限に絞りましょう。そこから信頼性の高い情報を探すことで手間を省くことができます。 日頃から情報が正しいか疑う目で閲覧を 新型コロナウイルス感染症に関する情報は毎日世界中から発信されていますが、誤った情報も潜んでいます。見つけた情報を鵜呑みにするのではなく、その情報の信頼性はどうか一度考えてみてください。今ある情報の中でより正確な情報をピックアップしていき、コロナ禍を乗り越えるために正しい行動をしていきましょう。 [参考資料] Neeltje van Doremalen et al., (2020) “Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared With SARS-CoV-1” N. Engl. J. Med., 382 (16):...

鼻炎と風邪は見極めにくいのか|新型コロナウイルスの鼻水症状

2020-05-18

鼻炎と風邪は見極めにくいのか|新型コロナウイルスの鼻水症状 新型コロナウイルス感染症の症状の中には、日常で起こりうる症状の一つに鼻水が挙げられます。鼻水は花粉症や鼻炎にもよく見られる症状ですが、ウイルス感染症の鼻水と見極められるのでしょうか。今回はそれぞれの鼻水の特徴や原因、対応の仕方について確認していきます。 鼻水で鼻炎あるいは風邪かを見極められるか 皆さんは鼻水が出たときに鼻水の性状を気にしたことありませんか?鼻水の性状を確認することで鼻炎か風邪かを見極められる可能性があります。鼻炎の場合、透明でさらっとした鼻水が多量に出ることや朝方に症状が見られる特徴があります。対して風邪の場合、粘りっぽい色のついた鼻水が1日中見られることが多いです。(ただし、慢性副鼻腔炎・蓄膿症においても同様の症状が現れますが発熱の兆候はみられません)。このような違いが生じる理由は鼻水を引き起こす原因が異なるからです。 鼻水が出る原因とそれに伴う症状も異なる まずは鼻炎の鼻水症状の原因です。鼻粘膜にハウスダストや花粉といったアレルギー性物質が付着すると、身体は粘液(鼻水)を出すことにより排出しようと働きます。そのため、アレルギー性物質の量の影響を受けやすく、日によって症状の程度が変わりやすくなります。また、起床時に自律神経が副交感神経優位から交感神経優位へと切り替わることにより、一時的に自律神経バランスが乱れて鼻が刺激過敏になることから、症状が朝方にひどくなる傾向があります。他にもアレルギー性物質が侵入することで目や皮膚のかゆみ、くしゃみ、腸内細菌の乱れなどの症状を伴うことがあります。一方、風邪の鼻水症状の原因はウイルスです。ウイルスが侵入することで白血球などの免疫細胞が増えウイルスを排除します。風邪を引いた初期は鼻炎同様に排出目的でさらっとした鼻水が出ることがありますが、ウイルスと戦い終わった免疫細胞が鼻水と混ざることで粘りっぽい色のついた鼻水になります。風邪では鼻水に加えて発熱や頭痛、関節痛、寒気、倦怠感などの症状を伴うことがあります。 軽症であれば市販の薬で対応してもよいか 鼻炎を抑える抗ヒスタミン作用や解熱作用を持つ薬が市販されているため、諸症状で困った場合は市販薬で対応することをおすすめします。どちらも商品の種類が多く、どの商品を購入するか迷う場合は薬剤師や登録販売者に相談しましょう。また、病院など医療機関で薬を処方されている方は重複する成分や相互作用によって症状や持病が悪化する恐れがあるので、必ず相談するようにしてください。ただ、風邪症状の場合はウイルス感染症にかかっている恐れも考えられます。市販薬を飲んで体調が回復したからといって出社や外出は控えましょう。さらに市販薬を服用しても症状に変化がなければ、必要に応じて帰国者・接触者相談センターへ連絡するなどの対応をしましょう。 鼻水症状が現れた時、似たような病気や連絡手段など確認しておく 【他の症状を確認する】 上記でも述べた通り鼻水症状のみで病気を判断せず他の症状も確認することが重要です。特に風邪の初期症状は鼻炎同様さらっとした鼻水が出るケースが多いため、判断を誤るとその後の対応も大きく変わっていきます。 【風邪症状があれば各地域の保健所へ連絡】 他の症状として発熱や頭痛、関節痛、寒気、倦怠感など風邪症状があればウイルス感染症の可能性があります。感染が疑わしい場合は各都道府県が開設している帰国者・接触者相談センターへ連絡しましょう。地域によって状況が異なるため事前に情報収集しておくことが大切です。 【病院へ行く前に連絡することを推奨】 通常と体調が異なる時医療機関を受診したくなると思いますが、直接病院へ行かず電話で連絡しましょう。万が一感染している場合、他の人に移す可能性があります。実際に風邪症状を理由にを受診しコロナ陽性が発覚したことで、病院は2週間の診療停止を行ったという例が国内でも発生しています。むやみに受診することはやめましょう。 【会社の体制を事前に把握しておく】 風邪症状が現れた場合の出勤や休暇体制を事前に把握しておきましょう。会社内でのクラスターを防ぐためには早期の対応が必要です。どのような症状の時に誰に連絡をするか、最終的な判断は誰が行うかなど会社や部署内で共有し不測の事態に備えましょう。 鼻水は疾患の中で一つの症状に過ぎない 鼻水の性状により鼻炎か風邪かを見極められる可能性は確かにありますが、鼻水は疾患の中で一つの症状に過ぎません。また、判断しづらいケースも多いと思います。日頃から体温を測定したり鼻水以外の症状を観察すること、さらに体調の変化が現れれば自宅待機をすることを心がけてください。 さいごに 鼻炎や花粉症をお持ちの方にとってアレルギー症状は非常に辛く、さらに今年は例年とは異なる状況となりました。鼻炎か風邪か見極めるのが難しいですが、今の時期に優先するべきことは感染を広げないことです。症状があれば自宅待機したり病院に行く前に連絡するなど常に感染症にかかっているかもしれないという認識で行動しましょう。 参考資料 セルフチェックしてみよう!アレルギー性鼻炎(花粉症)と風邪の違いって?|アレジオン【エスエス製薬】 クラシエの漢方 かぜシリーズ | こんな鼻炎・鼻水はかぜ?それとも……? | クラシエ 別添2 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け) 新型コロナウイルスを防ぐには 新型コロナの典型的な症状と受診する目安は?(忽那賢志) - Yahoo!ニュース 【茨城新聞】埼玉の新型コロナ感染男性、PCR検査隠し受診 古河の外科医院、休診に追い込まれる

目に触れないで、あなたのクセが新型コロナウイルス感染リスクの盲点

2020-05-17

目に触れないで、あなたのクセが新型コロナウイルス感染リスクの盲点 新型コロナウイルスの感染経路や初期症状が徐々に明らかになってきましたが、「目」からウイルスが侵入する恐れがあることをご存知でしょうか。クセで触る、かゆくて擦る、コンタクトレンズの着脱など触れる機会が多い場所です。今回は「目」について感染する原因や注意点など、どのように対策するとよいのでしょうか。 目から感染することはあるか 新型コロナウイルスは主に飛沫感染もしくは接触感染による感染が分かっています。飛沫感染は感染者が咳やくしゃみをした時に出るウイルスが含まれたしぶき (飛沫) 、接触感染はウイルスが付着した場所を触れてしまった手などがそれぞれ原因となります。ウイルスを含むしぶきやウイルスが付着している手が口や鼻についた後、吸い込んだウイルスが呼吸器や消化器などの粘膜組織から体の中へ入っていきます。さらに、目にも結膜と呼ばれる粘膜組織があるため、目から感染することも十分に考えられます。実際に、新型コロナウイルス感染者の中で目のかゆみや充血が初期症状として現れたケースが報告されています。 目以外で注意すべき粘膜の場所 新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症の一種と考えられているため、主に気管支や肺の粘膜組織から侵入して発熱や咳などの症状が現れます。また、目からも結膜を介して感染すると考えられています。消化管に存在する粘膜からウイルスが侵入した場合は下痢なども発症することがあります。新型コロナウイルスが細胞内に入り込む時に細胞側に発現しているあるタンパク質と結合することが分かっており、そのタンパク質が鼻の粘膜上皮細胞に多く発現するという報告があります。つまり、ウイルスが比較的入り込みやすい鼻から感染する可能性が十分にあることを知っておく必要があります。 目から感染を防ぐために必要なこと 【目をなるべく触らないように意識する】 普段から無意識のうちに目を触ったりこすってしまう方もいると思いますが、目を触った手にウイルスが付着していた場合はそれだけで感染する恐れがあります。むやみに目を触ることは新型コロナウイルスに限らずウイルスや細菌などの病原体が感染する原因となるため、できる限り目は触らないよう意識して生活しましょう。 【手洗いや消毒を徹底する】 目をなるべく触らないようにするとはいえ、クセで目を触ることがあると思います。ふとした瞬間に目に触れて感染してしまうことを防ぐために普段以上に手洗いを徹底しましょう。回数を増やすだけでなく、石鹸やハンドソープを使った手洗いを心掛けてください。また、消毒用アルコールを使った消毒も感染予防には有効です。消毒用アルコールが手に入りにくい場合は塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウム水溶液で代用できます。手指以外のドアノブや机など多くの人が触る可能性のある場所を定期的に消毒しましょう。 【目薬を使用する】 かゆみを抑える成分が入った目薬が市販されているため、目がかゆくて仕方がない時に目薬の使用をおすすめします。どの目薬を選んだら良いか分かりにくい場合は薬局やドラッグストアにいる薬剤師や登録販売者に相談しましょう。目薬を使用する場合は点眼前後に手洗いを必ず行い、目薬の共有は避けてください。ただ、目のかゆみや充血が新型コロナウイルス感染症による可能性もありますので、日々の体調変化には十分注意し、必要に応じて厚生労働省のコールセンターや各都道府県が開設している帰国者・接触者相談センターへ連絡してください。 コンタクトレンズも着脱も要注意 コンタクトレンズの使用により新型コロナウイルスに感染するリスクが高まるという報告はありませんが、コンタクトレンズの着脱をウイルスが付着した手で行うと感染してしまう可能性があるため、着脱前後は石鹸やハンドソープを使用して十分に手洗いをしてください。また、コンタクトレンズの使用方法を今一度見直して適切なケアや保管を行い、他人との貸し借りは避けましょう。コンタクトレンズの使用に不安がある場合は眼鏡に切り替えると良いかもしれません。 クセを直すのは難しい、意識と予防でカバーを 新型コロナウイルスは何気なく目を触ってしまうだけで感染してしまう可能性があり、なるべく目を触れないよう意識する必要があります。目を触れる行為は自分が感染してしまうだけでなく、他の人にウイルスを拡げるかもしれません。その行為がクセの場合、無意識に触ってしまうこともあるため、いつも以上に手洗いや消毒など感染予防を行いましょう。 [参考資料] 公益社団法人 日本眼科医会 “新型コロナウイルス感染症の目に関する情報について (国民の皆様へ)” 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会 “新型コロナウイルスとコンタクトレンズに関する情報への見解” ⼀般社団法⼈ ⽇本環境感染学会 “医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第 2 版改訂版 (ver.2.1)” A Daruich et al., (2020) “Ocular Manifestation as First Sign of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): Interest...

新型コロナウイルス感染による重篤なウイルス症状について

2020-05-16

新型コロナウイルス感染による重篤なウイルス症状について 新型コロナウイルス感染症の情報は日々変化しており、それに伴って様々は研究や集計データが報告されています。今回は、新型コロナウイルス感染症の重篤なウイルス症状や重篤化リスクが高いとされる報告について確認します。最新の正しい情報を常に把握しておきましょう。   明らかになってきた新型コロナウイルス感染症の症状 新型コロナウイルスが主に呼吸器に感染することで発熱・咳・呼吸困難が起こりやすいことが分かってきました。それ以外に、下痢・頭痛・味覚や嗅覚の障害・眼の痒みや充血などが生じることも報告されています。   どこからが重篤なウイルス症状といえるか 新型コロナウイルス感染した人のうち「集中治療や人工呼吸器を要する管理が必要な患者」を重症者として定義しています。肺や全身への感染により炎症反応が起き、呼吸不全に陥ることで重症化してしまいます。重症化する前に見られる特徴的な ※13 の症状を把握しておき、細かい体調変化を見逃さないようにしましょう。 ※厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における 健康観察における留意点について   重篤化リスクが高いとされる報道は本当か嘘か 【若年層より高齢者】 健康に気を遣っている方でも加齢により身体機能や生理機能が徐々に衰えることは避けられず、一般的に呼吸機能は 20 代を過ぎると年齢を重ねるにつれて低下していきます。若年層に比べて高齢者は呼吸にかかわる絶対的な能力が落ちているため、「高齢」は重症化するリスク因子と考えられます。 【基礎疾患のある人】 新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症の一種であるため、喘息など慢性的な呼吸器疾患を患っていると重症化しやすい傾向があります。また、年齢を問わず心血管疾患・糖尿病・高血圧といった基礎疾患を持つ感染者が重症化しやすいという報告があります。 【子どもより赤ちゃん】 喘息など基礎疾患がない場合でも、1 歳未満の乳幼児が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすい可能性があります。乳幼児が重症化しやすい一因として呼吸器系の発達がまだ不十分であることが挙げられています。 【喫煙者】 喫煙と新型コロナウイルス感染症の重症化の関係性に関する研究成果はいくつか報告されていますが、まだその関連性の有無に結論が出ていない状態と言えます。喫煙は慢性閉塞性肺疾患の発症因子であることは明らかで、さらに心血管疾患を併発するリスクも高くなります。これらの疾患は新型コロナウイルス感染症を重症化させる要因と言われているため、重症化を防ぐという観点で喫煙が良い影響を及ぼすとは言えません。   感染数が多いのは中高年世代 新型コロナウイルス感染症の累計陽性者数は令和 2 年 5 月 7 日時点で 15,000 名ほどです。年齢階級別で見ると、20 代以降は 10 代もしくは 10 歳未満の陽性者数より明らかに増えています。20 代以降では、20-50 代の各年齢階級別陽性者が 2,000 名を超えており、60 代以降の陽性者数と比べて多くなっています。一方で、死亡数・重症者数は年齢階級が上がっていくにつれて増えており、重症化する割合は加齢により高くなっていると言えます。 【仕事における接触機会が多い】 緊急事態宣言の発令に伴い外出自粛が求められていますが、20-50 代は仕事により外出が避けられない方が他の年代に比べて多くなっていると考えられます。実際に生産年齢人口にあたる人の接触頻度の減少率が低いという報告があります。 【若年層は無症状のことが多い】...

ディスプレイ頭痛とコロナ頭痛の違いとその対策|新型コロナウイルス

2020-05-13

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、テレワークの推進により各社在宅での作業に追われているかと思います。一方、普段の会社と異なる環境や休息方法で、作業効率や健康被害が現れているのではないでしょうか。今回は「頭痛」について着目し、コロナ頭痛とディスプレイ頭痛の違いを確認し、ディスプレイ頭痛の対策方法を深掘りしていきます。 なぜ頭痛を引き起こすのか 頭痛は肩こりなどで頭部の血管や神経に異常が起きたことが原因 (一次性頭痛) となる場合もあり、脳腫瘍や脳内出血など頭部にある疾患が原因 (二次性頭痛) となることがあります。一次性頭痛は大きく分けて片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の 3 種類あり、パソコンなどの機器を使った作業 (VDT: visual display terminals 作業) を長時間行うことで起こる頭痛の多くは緊張性頭痛に分類されます。 ディスプレイ頭痛とコロナ頭痛の原因とその兆候 【PC頭痛】 繰り返し頭痛が起こる反復性の緊張型頭痛は頭部周囲にある筋肉の硬直や過緊張や血流の減少が原因と考えられています。VDT 作業を長時間行うことで首や肩の筋肉が硬直してしまい、これが頭痛の原因になる恐れがあります。また、パソコンやスマートフォンなどの液晶画面が発している強い光を長時間見続けることにより片頭痛を誘発している可能性が指摘されています。 【コロナ頭痛】 新型コロナウイルスに感染した時の症状として頭痛が起きることが報告されています。人の体はウイルスに感染した際、ウイルスを排除するために免疫反応が起こります。この時に産生された「プロスタグランジンE2」という物質が発熱や頭痛の原因となります。また、稀に脳の周辺にある髄膜にウイルスが侵入してしまい、髄膜炎の発症により頭痛が起きることがあります。 PC頭痛を対策・予防する方法 【作業を管理する】 VDT 作業を長時間行うことで、頭痛・肩こり・目の疲れなどの症状が起きやすくなります。特に、1 日のVDT 作業時間が 4 時間を超えると頭痛などの症状を訴える人が増えることが分かっているため、頭痛の予防にはテレワーク期間中も可能な限りパソコンに向かって作業する時間を減らす必要があります。また、連続作業時間が 1 時間以上にならないよう定期的に休息を取り入れることも大切です。 【作業環境を整える】 ディスプレイは 40 cm 以上離れた位置から見るようにし、ディスプレイの上端が眼の高さと同じもしくはやや下になるよう調節してください。眼への影響を軽減するためにはブルーライトをカットできるソフトウェアやフィルターの使用が効果的です。椅子には深く腰かけて足の裏全体が床に接するよう椅子の高さを調節しましょう。作業中は無理のない姿勢を保つことが重要です。 【作業時間以外に実践できる対策方法】 1.リラックスする 休憩は積極的にとり、その時間は精神的・肉体的にリラックスすることが大切です。短時間でも楽しめる趣味があれば休憩時間はその趣味にあてると良いかもしれません。ただ、休憩時間もスマートフォンを使用してしまうと眼を休めることにはならないため、必要最低限にとどめましょう。 2.ストレッチ 首や肩のコリが頭痛の原因になることがあります。首筋や肩周辺を伸ばすストレッチを定期的に行い、体をほぐしましょう。長時間の VDT 作業は腰痛の原因にもなるため、腰周りのストレッチも忘れないようにしましょう。 3.つぼを押す 頭痛に効くつぼがあることが分かっています。頭痛が気になる時は頭頂部にある「百会」や後頭部にある「風池」と呼ばれるツボを押してください。頭痛が起きている時に頭部を触りたくないという場合は、手の親指と人差し指の付け根あたりにある「合谷」というツボが有効です。ツボを押す時は呼吸に合わせて 1 回 6 秒程度を目安に押しましょう。 【つらい頭痛には薬の検討を】...

新たに判明した新型コロナウイルスの感染による下痢症状

2020-05-12

新たに判明した新型コロナウイルスの感染による下痢症状 新型コロナウイルス感染症の症状が徐々に明らかになり、発熱や咳などの呼吸器症状が主に取り上げられていますが、下痢などの消化器症状も報告されています。今回はウイルス感染症と消化器症状の関係や下痢の対処法、さらに家庭や会社におけるトイレ使用時の注意点や清掃について確認していきましょう。 報告されている初期症状 新型コロナウイルスに感染した場合、最初に現れやすい症状は発熱・咳・倦怠感・呼吸困難 (息苦しさ) があります。その他、筋肉痛・下痢・頭痛・動悸・味覚や嗅覚の障害・結膜炎様症状などが起きる場合もあります。新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症の一種と考えられていますが、消化器感染症様の症状も現れることが分かっています。 下痢も新型コロナウイルスの症状の一つ 新型コロナウイルスの主な感染部位は肺や気管支などの呼吸器だと言われている一方で、下痢など呼吸器とは直接関係がないように感じる症状が現れるのはなぜでしょうか。この理由は腸管感染が起きているからだと考えられています。新型コロナウイルスは細胞膜上に ACE2 が発現している細胞には侵入することができ、消化管でもウイルスが侵入して下痢などの症状を引き起こしている可能性があります。 補足:新型コロナウイルスが細胞内に侵入する時に細胞表面に存在する ACE2 (アンジオテンシン変換酵素 2: Angiotensin-Converting Enzyme 2) と呼ばれるタンパク質と結合する必要があると報告されています。この ACE 2 は呼吸器の細胞だけでなく消化管・肝臓・腎臓・心臓など様々な組織に存在しています。 下痢が起きた時の対処法 【下痢止めを服用は極力控える】 新型コロナウイルス感染症に限らず腸管感染による下痢の場合は下痢止めを飲まないことが推奨されています。下痢止めを飲んでも十分に効果が期待できない・病原体の排出を長引かせる・腸の動きが悪くなり腸管が塞がることが起きる可能性があるため、むやみに下痢止めを服用することは避けてください。必要時の下痢止めが有効な場合もありますが、ウイルス性の下痢については受診の必要があります。症状を医師に伝えましょう。 【水分をしっかり摂取する】 ウイルス性の下痢症状がある時は腸粘膜から水分を過剰に分泌するため、便中に水が含まれ過ぎている状態になっています。つまり、本来であれば体の中に入っていくはずの水が体の外へ出てしまっていることになります。これが下痢の時に脱水症状が起きる原因です。脱水症状に陥ってしまうと非常に危険ですので、こまめな水分補給を心掛けましょう。水分補給には経口補水液やスポーツドリンクが適しています。 下痢症状は自宅待機すべきか 発熱や咳がなくとも下痢症状が新型コロナウイルス感染症による場合、ウイルスに感染していることに変わりはありません。また、感染者の便中からウイルスが検出されることもあります。したがって、下痢症状のみの場合でも可能限り自宅待機することをおすすめします。 発症者や感染疑いの方がトイレを使用する際の注意点 【エアロゾル感染する可能性がある】 家や職場などで感染者が共有のトイレを使用する場合があります。使用後に便器の蓋をせずに流してしまうと、流す際の水圧によってウイルスを含む微小な粒子 (エアロゾル) が空気中に漂い、ウイルスがドアノブなど手で触れる場所に付着してしまうこともあります。トイレ使用後は普段以上に手洗いを徹底してください。 【可能な限りの防具を着用し消毒を行う】 感染者もしくは感染の疑いがある人がトイレを使用した場合、感染拡大を防ぐためにトイレの消毒を行う必要があります。この時、ウイルスを含むエアロゾルが発生している可能性があるため、マスクや手袋だけでなくゴーグルや全身を覆うガウンなどを着用し、便器以外にもドアノブや水道など手で触れる可能性がある場所を全て消毒しましょう。ガウンがない場合、ポリ袋をかぶるだけでもある程度防御は可能です。消毒後、使用した防具は適切に処理をしてください。 【一定期間使用を禁止することも検討】 ウイルスを含むエアロゾルが一時的に大量発生していた場合、目視で確認することは難しいだけでなく感染するリスクが非常に高くなっています。消毒する時の防具が十分でない場合や消毒直後などは必要に応じて使用禁止期間を設けることも感染対策としては有効です。 【アルコールがなければ次亜塩素酸ナトリウムで代用】 消毒用アルコールが手に入らない場合は塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムで代用することもできます。0.05% 次亜塩素酸ナトリウムが新型コロナウイルスの消毒に有効だと考えられています。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は市販の塩素系漂白剤を水で薄めることで簡単に調製できます。 【無理のない程度に清掃を】 新型コロナウイルスに感染しないためには手洗いや手指消毒など日々の感染対策が重要です。それに加えて、トイレなどの共用施設を清掃する回数を増やしたり、簡単な消毒作業を取り入れるなど可能な範囲で感染対策を実施することで感染拡大を未然に防ぐことができるかもしれません。 [参考資料] ⼀般社団法⼈ ⽇本環境感染学会 (2020) “医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第 2 版改訂版 (ver.2.1)”...

社内感染を防ぐために確認すべき新型コロナウイルスの初期症状

2020-05-11

社内感染を防ぐために確認すべき新型コロナウイルスの初期症状 新型コロナウイルスは潜伏期間が長く、そのうえ無症状の場合もあることから施設や事業所で発生したクラスター感染が全国から複数例報告されています。クラスター感染を防ぐためには新型コロナウイルスを知ることが大切です。今回は新型コロナウイルスの初期症状や特徴、社内感染を防ぐための対策を確認していきましょう。 新型コロナウイルス感染症の初期症状とは 【風邪やインフルエンザに似た症状】 新型コロナウイルス感染症は風邪のような症状から始まるケースが多いと言われてます。微熱を含む発熱、鼻水、鼻詰まり、ノドの痛み、咳などです。発症してから1週間程度は風邪のような軽微な症状が続き、その中で約2割弱は重症化し入院に至る可能性があると報告されています。 新型コロナウイルスの特徴として倦怠感が強く、風邪やインフルエンザと違って、症状が続く期間が長い傾向にあるということがわかっています。また、子どもの感染者数は成人と比べ少ない一方、感染力は成人と変わらず、症状も成人と同様とされています。   【嗅覚や味覚などの感覚異常】 新型コロナウイルス感染症の症状のうち、嗅覚障害・味覚障害が現れることがあります。しかし、嗅覚や味覚の障害は風邪やインフルエンザでも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。そのため、味覚・嗅覚の異常が生じた場合、体のだるさや発熱、のどの痛みや咳の有無など、総合的に判断するようにしましょう。万が一感染している場合、周囲の人に感染を拡大する可能性があるため、2週間は不要不急の外出を控えるようにしましょう。 【その他の症状】 その他の初期症状として筋肉痛や頭痛、血痰、下痢などの症状も報告として挙がっています。一方で、感染しても無症状の人が一定数いることも分かっています。さらに診断後に症状が現れる人もいるため、診断時に無症状であっても慎重な経過観察が必要です。 なお、現在報告されていることはまだ一部であり、今後様々な症例が出てくることも予想されます。他にも重い症状など気になることがあれば医療従事者に相談し、必要があれば医療機関を受診するようにしてください。 風邪やインフルエンザと異なる特徴 新型コロナウイルスは一般的な風邪やインフルエンザと異なり潜伏期間が長いため、長期に渡り続くことが特徴の一つにあります。発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさを訴える方が多く報告されています。また、高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)を有する方は、重症化するリスクが高いと考えられています。重症化すると重篤な肺炎症状だけでなく様々な基礎疾患の悪化を併発するリスクが高くなります。 また、症状を発症しない患者(無症状患者)が多いことも報告されています。 症状と発症時期 症状/発症時期 1日 (発症) 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日~ 風邪の初期症状 嗅覚・味覚障害 肺炎 呼吸困難 (参考:症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること(5月1日時点)(忽那賢志) - Yahoo!ニュース) 新型コロナウイルス感染症は発症してから1週間程度は風邪のような軽微な症状が続き、患者の8割は重症化せず治癒に至る場合が多いとされています。つまり約2割弱程度重症化する人が存在すると言われ、その後徐々に悪化して入院に至ります。特に重症化する場合は、発症から1週間前後で肺炎の症状(咳・痰・呼吸困難など)が強く見られることが分かってきました。しかし、この症状が発現する期間はあくまで目安であり人によって様々です。また初期症状が軽い人や無症状とみられる患者もいることから、感染しているかどうかの見分けがつきにくいケースもあるため注意が必要です。 社内感染を防ぐためにできること 【社員全員で情報共有する】 現在新型コロナウイルス感染症に関する情報は数多く飛び交っています。その中でも国内外の各機関からの最新情報を収集し、社内で連携して危機管理に対応できるための対策を講じることが必要となります。感染者が発生時の対応手順など定め、社員全員で共有することがクラスターを発生させないための大切なポイントです。 【基礎疾患のある社員を把握しておく】 新型コロナウイルスの脅威は 高齢者や持病のある方が罹患すると、肺炎などの重篤な症状を急速に引き起こし死に至るリスクがある点です。 その中で、以下の場合は重症化しやすい可能性があり、風邪症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く場合、特に注意する必要があります。 ・高齢者...